内的創造性の美〜オオバナノエンレイソウ
- pirkamer organic apothecary

- 7月27日
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更新日:9月2日
pirkamerのアイコンにさせていただいているオオバナノエンレイソウは、北海道と一部北東北に分布する、シュロソウ科(元ユリ科)エンレイソウ属の草本です。

エンレイソウ属は学名でTrilliumと言われ、3のユリという意味に由来しますが、春の束の間に咲く花は、3枚の花弁に分かれていて、3枚の萼片と、3枚の葉と三角形の重なりが織りなす幾何学的な美しさがあります。
延齢草という名があらわすように、とても長い時間を生きる草本で、発芽から開花まで10年以上かけて成熟しますが、開花まで生き残ることができるのはごく一部の個体だけとのことで、一度開花に至ると、その後は安定した開花・結実を繰り返し、長いものは50年という時間を生きるようです。


その長い営みの内、春の短い間に足並み揃えて花を咲かせ、多くの時間は森に守られ、ひっそりと、じっくりと生命を育みます。

オオバナノエンレイソウはエンレイソウ属の中でも、花が大きく、葉は優雅に広がっており、森の貴婦人とも呼ばれます。
その群生する姿からは、三位一体の創造性が万華鏡のように広がって響いてくるのを感じます。

オオバナノエンレイソウの花言葉は、「叡智」「奥ゆかしい美しさ」
長い時間を超えた内的プロセスから溢れる思慮深さと、時を得た創造性の神秘に触れるとき、私の中で何かが書き変わるのを感じるのです。
参考文献)
河野昭一. 植物生活史図鑑Ⅰ〜春の植物No.1. 北海道大学図書刊行会. 2004



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